子どものお小遣い帳、紙・アプリ・親が管理の 3 パターンを比べた
子どもにお小遣い帳を始めたいけれど、紙とアプリのどちらがいいのか迷う。始めてみたものの、気づけば白紙のまま止まっている。そんな保護者は少なくないはずです。
この記事では、お小遣い帳の 3 つのやり方を比べました。紙の書き方の例と、続かないときの直し方も載せています。
お小遣い帳は紙・アプリ・親が管理、3 パターンの比較表
| パターン | 続けやすさ | 保護者の手間 | 学べること | 向く学年 | つまずき |
|---|---|---|---|---|---|
| 紙のお小遣い帳 | 項目を絞れば続く | 書き方と計算の補助 | 収支を自分で書く | 低学年から補助つき | 書き忘れ・残高ずれ |
| 子ども用アプリ | 集計の手間が減る | 最初の設定と確認 | 自分で入力し履歴を見る | 中学年ごろから | 入力忘れ・端末が要る |
| 親が管理 | 子の記入が要らない | 記録と見せる手間 | 親と一緒に残高を見る | 始めたばかりの子 | 子が残高を知らない |
迷ったら学年で分けると始めやすいでしょう。低学年は親が管理か紙を一緒に、中学年からは紙かアプリを本人中心に、という分け方です。
どのやり方でも、保護者の手間はゼロにはなりません。誰が書いて、誰が確かめるかが変わるだけです。
紙のお小遣い帳の書き方
紙なら、日付・内容・入ったお金・出たお金・残りの 5 つの欄があれば足ります。
| 日付 | 内容 | 入った | 出た | 残り |
|---|---|---|---|---|
| 4/1 | お小遣い | 500 | 500 | |
| 4/3 | おかし | 120 | 380 |
金額は書き方の例です。計算が大変なうちは、電卓を使ってかまいません。
続かない理由別、どのパターンで軽くできるか
お小遣い帳が止まったら、まずどこでつまずいたかを見るのが近道です。道具を替える前に、同じ道具のまま直せることもあります。
| 続かない理由 | 紙なら | アプリなら | 親が管理なら |
|---|---|---|---|
| 書くのを忘れる | お金が動いた時に開く | 動いた時に入力 | 話を聞いて親が書く |
| 計算が大変 | 電卓を使う | 集計機能を使う | 親が計算する |
| 残高が合わない | 財布の中と照らす | 入力漏れを探す | 親子で出入りを確認 |
| 使い道を忘れた | 「不明」と書いて再開 | メモ欄を使う | 金額だけ書いておく |
| つける意味が分からない | 欲しい物まであと何円か書く | 残高と目標を見る | 子が使い道を話す |
| 親が見きれない | 項目を絞る | 子の入力を確かめる | 子ごとに 1 冊に分ける |
使い道を忘れたときは、無理に思い出さなくてかまいません。神奈川県が子ども向けに作ったお小遣い帳の教材でも、「不明」と書いて先へ進む方法が紹介されています。
学年で切り替えるモデル
学年が上がるにつれて、子どもが受け持つ作業を少しずつ増やしていく形です。
| 学年 | やり方 | 子どもの役割 |
|---|---|---|
| 低学年 | 親が管理か紙を一緒に | 何に使ったか話す |
| 中学年 | 紙かアプリを一緒に | 出入りを自分で書く |
| 高学年 | 本人が記録し親が確認 | 次の使い方を考える |
この流れは、国の金融教育の目標をまとめた金融リテラシー・マップ (2023 年) をもとにしています。目標なので、その学年なら全員ができるという意味ではありません。
高学年が紙で続けた例もあります。日本家政学会誌に載った実践研究 (2023 年) では、小学 6 年生 25 人が約半年お小遣い帳をつけ、使い方を振り返る様子が報告されました。
お小遣いの額や渡し方は、子どものお小遣い、いつから・いくら? にまとめています。
子ども用アプリを使うときに確かめたいこと
子ども用のお小遣い帳アプリは、製品によって機能がかなり違います。入れる前に、次の点を見ておくと安心です。
- 入力できる項目と、残高・履歴の見え方
- 家族で同じ記録を見られるか
- 広告や追加料金があるか
- 年齢の条件と、集めるデータの扱い
- データの消し方と、機種変更での引き継ぎ
子どもに端末を渡すときは、課金の制限もかけておくと安心です。国民生活センターの注意喚起 (2024 年) には、親のアカウントのままの端末で子どもがゲームに課金した相談例が載っています。
実際の家庭では、どこで止まっている?
ここで挙げる例では、止まったきっかけはやる気より、計算や確認の負担でした。保護者の事例では、次のような場面です。
- 計算がまだ難しい時期に始めた
- 子どもが何人もいて、親が見きれない
- 帳面ではなく、頭の中で管理していた
ベネッセ教育情報の投票企画には、計算が十分でない時期に帳面を渡して続かなかった、という保護者の声があります。
同じ企画には、複数の子に帳面を用意したものの、それぞれを見る余裕がないという声もありました。
同じ企画には、親が子の残高を把握できず、冷蔵庫のメモに残高を書く形にした家庭もあります。帳面をやめても、残高が見える形なら残せるという例です。
反対に、越谷市の子育てサイトのアンケート (2020 年) では、小学 1 年生から電卓を使って続けている家庭がありました。後で見返すと、そのとき買った物を思い出せる楽しさがあるそうです。
道具を替える前に、苦手な部分だけを電卓や親の手で補う方法もあります。
よくある疑問
Q. お小遣い帳は何年生から?
A. 決まった学年はありません。計算を電卓や親が手伝えば、低学年からでも始められます。
Q. 毎日つけないといけない?
A. お金が出入りした日だけで十分です。出入りがない日は書かなくてかまいません。
Q. 親がチェックするのはやりすぎ?
A. 責めるためでなく、一緒に残高を確かめる時間にすれば負担になりにくくなります。お金の使い方を話すきっかけにもなります。
最初の一歩は、今月のお小遣いを渡す日に、残高を親子で一緒に書いてみることです。
お手伝いでお小遣いを渡している家庭では、お小遣い帳の前に「何をしていくらもらったか」の記録も要ります。紙なら、お小遣い帳の入った欄に手伝いの内容を書けば足ります。
お手伝い記録アプリのできた帳では、お手伝いでためたポイントの履歴が自動で残り、保護者も子どもも同じ画面で見られます。
参考
- 金融経済教育推進会議『金融リテラシー・マップ』2023 年 https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy/pdf/map202306.pdf
- 国民生活センター「子どものオンラインゲーム 無断課金につながるあぶない場面に注意!!」2024 年 https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20240313_1.html
- 越谷市 こしがや子育てネット「みんなどうしてる?子どもとお金」2020 年 https://www.city.koshigaya.saitama.jp/kosodate-net/q-waie/docs/2020102200014/index.html
- 小井戸あや乃・大藪千穂「『おこづかいちょう』を用いた小学生を対象とした継続的金融経済教育」日本家政学会誌 2023 年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/74/5/74_233/_article/-char/ja/
- 神奈川県「『おこづかい帳』を学んで“お金名人”をめざそう!」年不明 https://www.pref.kanagawa.jp/documents/126406/okodukai.pdf
- ベネッセ教育情報 オンライン投票「お子さまはおこづかい帳をつけていますか?」年不明 https://benesse.jp/vote/voteBackNumber_3427.html